日本で最初に製造された堺線香
日本での線香製造のおこりについては、いろいろな説がありますが、天正年間(16世紀)には、中国から製法が伝えられ、堺ですでに製造されていたといわれています。
当時の堺は、自由都市として、わが国最大の海外貿易港であり、外国の宣教師によって「この町は大きく裕福であり、商業が盛んであるだけではなく、絶えず方々から人々が集まる諸国相互の市場のような所」と伝えられたほど商取引が盛んな都市でした。
このように、海外から線香の原料を入手しやすかったこともあり、また、堺は「泉南仏国」といわれるほど、京都、奈良についで寺院が多いことも、いちはやく線香の製造をはじめた要因と思われます。
堺の線香は、選びぬかれた天然の香料の調合が特色で、香の芸術品といわれています。また、香りのブームの中で、室内芳香用として、天然香の効能が注目されています。