タバコ包丁と堺刃物
堺市には、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」に代表されるように、数多くの御陵・古墳があり5世紀には、この古墳群をつくるための道具を製造する人々が集団をつくり、鍛冶技術が発展する基礎ができたといわれています。
特に、16世紀にポルトガルよりタバコが伝わり、国内でタバコの葉が栽培されるようになると、タバコの葉を刻む「タバコ包丁」が大量に必要となり、堺で初めて、タバコ包丁がつくられるようになりました。この堺製のタバコ包丁は、輸入品のタバコ包丁より切れ味が優れていたため、江戸時代には、幕府に「堺極」というこ極印を入れて売ることを認められ、全国に名を馳せました。
このように、堺刃物のルーツは「タバコ包丁」であり、産業としての発展の基礎もこの時期に確立しました。
なお、昭和57年(1982年)3月には、昔からの優れた伝統技術を受け継ぐ「堺打刃物」が、通商産業大臣(現経済産業大臣)より「伝統的工芸品」に指定されており、特に職人用の包丁のほとんどが堺製といわれています。
また、平成19年(2007年)10月には、「堺刃物」と「堺打刃物」が地域団体商標に登録されました。