昆布

ふんわりと口でとろける、
手で削る、極薄のおぼろ昆布

江戸時代に北海道の昆布が堺に届くようになると、堺は昆布加工の一大産地となっていきました。酢の中に浸しやわらかくした昆布を、熟練の職人が絶妙の力加減で削り取っていく「おぼろ昆布」は、絶品の味わい。うどんなどにぴったりのとろろ昆布、昆布の佃煮など、毎日の暮らしに寄り添った昆布製品がつくられています。

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北の幸・昆布は、海路、堺へ渡り、
熟練の職人の手によって加工された。

コンブロードと堺の昆布

コンブロードと堺の昆布

堺に昆布加工業が発達したのは、北海道でとれた昆布の運搬ルートとかかわりが深いといわれています。

この「コンブロード」といわれたルートは、波がおだやかな日本海沿岸によって、北海道から、敦賀、小浜さらには下関を経由して、大阪、堺に船で運搬した航路のことです。

もともとは、敦賀、小浜に入港し、陸路で大津を経て、淀川を下って大阪に運ばれていましたが、江戸時代の中頃(17世紀)には、大阪、堺までの航路が開かれ、堺港に大量の昆布が陸揚げされるようになりました。

この時期に、堺の昆布加工業も本格的に発達したといわれています。

特に、大正から昭和のはじめにかけてピークになり、約150軒の昆布加工業者が集まった一大産地となりました。

堺の昆布は、「とろろ」と「おぼろ」の加工が中心で、とろろ昆布は機械生産されますが、おぼろ昆布は高品質を保つために、熟練した職人によって手づくりで加工されています。

昆布の種類と特長

真こんぶ

色は褐色。肉は厚く幅が広い。上品な風味でこんぶの最高級品。

利尻こんぶ

色は黒褐色。真こんぶに比べてやや固め。透明で風味のよい出し汁がとれる。

羅臼こんぶ

色は茶褐色。だしをとるとにごるが香りがよく、こくのあるだしが出る。

三石こんぶ・日高こんぶ

色は緑に黒みをおびた色。煮えやすく柔らかいので、こんぶ巻きなどの煮こんぶに利用される。

長こんぶ

色は灰色をおびた黒色。6~15mと長いのが特色。生産量が最も多い。

厚葉こんぶ

色は黒色。切口は白い色で、甘味が少なく、にが味と、とろろ分がある。

細目こんぶ

色は黒色。切口は白い色で、甘味はすぐになくなる。